この絵を見て、みなさんはどのような想像をされましたか? どこかの路上で行われているマラソン大会などのイメージをされた方もいらっしゃったのではないでしょうか。これは4年生の国語の教科書、巻末ページに記載されているものです。今回はこの絵を用いて、物語作りに取り組んでもらいました。
私「(絵のページをみんなで見ながら)この絵を参考に、今から2人に物語を書いてもらおうと思うんだけど…」
Aさん「え~、そんなの無理ィ~~。」
Bさん「できないよ~…。だって、何書いていいか分かんないもん」
Aさん「そうだよ。想像なんかできないし~」
私「本当にそう?(笑) じゃぁ、今から私がいくつか質問するから、ちょっと考えてごらん。そうしたら、何か想像できるかもよ?」
「書けるはずがない!」と諦めモード全開の2人。私はそんな2人に3つの質問をしました。
私「じゃぁ、第1問!ジャジャン これは何をしているところだと思う?」
Aさん「え、運動会に決まってんじゃん」
私「なるほど、Aちゃんは運動会だと思ったんだね。どうしてそう思ったの?」
Aさん「はちまきをしてるから」
私「あ、本当だ。確かにはちまきしているね。」
Bさん「え~…。私は陸上部かなんかの大会だと思ったんだけど…。」
私「Bちゃんは、Aちゃんとはまた別の想像したんだ?Bちゃんはどうして陸上部とかの大会だって思ったの?」
Bさん「だって、地面が道とかコンクリートっぽいし、応援する人たちはみんな道沿いに立っている感じがするよ。」
私「お、確かに。そんな感じもするね。」
私「じゃぁ、次の質問にいくよ?ここはどこでしょうか?^^」
Aさん「え、どこだろう・・」
Bさん「どこでもいいの?」
私「どこでもいいよ。Bちゃんの思った場所が、この絵の場所になるんだよ。」
Bさん「(にやっとしながら)じゃぁ、私はこれだな。アクトとか、どこかのビルの屋上!」
Aさん「じゃぁ… 私はどこかの公園か、広場!」
私「うわぁ… すごいじゃん、2人とも!なんだかんだ言って、ここまで想像できたじゃん!!」
Aさん「」 Bさん「」
私「じゃぁ、これが最後の質問ね。難しかったら、この吹き出しの人を使わなくてもいいから、ここにいる人たちのうちの誰かを決めて、どんなお話をしているのか、ちょっと言ってみて?」
Aさん「んー、誰にしようかなぁ。」
Bさん「よしっ、私決めた!先生、名前とか作っちゃってもいい?」
私「いいよ。」
Bさん「じゃぁねー、テレビちゃんが一生懸命走っているから頑張れ!ってこの人が言うの。だけど、リモコンくんは負けちゃえ!って言うんだよ。」
Aさん「え、なんで?」
Bさん「リモコンくんは、実は赤組でテレビちゃんのライバルだったから!」
Aさん「あはは~ 」
Bさん「じゃぁ、私はねぇ、パフェちゃんとチョコちゃんが…」
生徒の中でこのように、少しずつ変化が起きていったのがお分かりでしょうか?
物語を想像して書くというのは、想像がなかなかできない子どもにとっては、非常に大変な作業のように感じます。しかし、そのような子どもたちに想像力がないのかと言えば、それはノーです。彼らは単純に、どうイメージを膨らめていけばいいのか知らないだけなのです。ですから、私たちが、上記のようにしてサポートしてあげることで想像力は無限に広がっていきます。
AさんもBさんも、物語が溢れ出してきたようです。黙々と文章を書き始めました。来週の発表が楽しみですね。
(さびぃ)